(はじめて読まれる方は、前記事をご参照ください。写真は仕入れた状態のミンチ肉)

「これが本当の大和の国のぎょうざ」だと、言い切れるまで妥協はしない、そう誓った途端、私は大きな壁にぶつかってしまいました。

目的は、もちろん

  • 見つけた素材の味わいを最大限に引き出すこと。
  • 季節ごとに最適な食材を選ぶこと。
  • 安心・安全のためにも、添加物や化学調味料に頼らないこと。
  • そして、コック歴全ての経験と技術をぶつけること。

なのですが、餃子の大きな核となるミンチ肉で、まず問題を発見しました。

これまでも、もちろん色んな肉を試し、できるだけいいものを仕入れて使っていたのですが、二つの大きな問題があるのが分かっていました。

  • 赤身と脂身の比率にばらつきがある。
  • ミンチ肉に加工した時点で、表面積が一気に増え、酸化が進んで旨みが損なわれる。

せっかく奈良産の素晴らしい食材が見つかっても、肝心の肉がそれを邪魔してしまう……。

もちろん、吟味に吟味を重ねて仕入れていますので、そのままでも決して美味しくないというものはありません。

しかし、単なる「美味しい」では、せっかく、意気込んであたらしいぎょうざづくりの開発に乗り出したものの振出しに戻ることになってしまいます。

ただ、そのための、回答は既に頭の中にありました。

自社挽き

 

そう、材料となる豚肉を自社でミンチにすることで、二つの問題は解決できるのです。

でも、これで問題解決……とはいかないのです。

こんな苦しい事情があります。

私たちのようないち中華料理店でこの作業に取り組む場合、まず、機械を用意し、作業スペースを確保。そのうえで、人員を確保し、実習して周知しないといけません。

さらに、機械の操作・解体・洗浄・組み立てが必要ですが、これをやっている時間が無いのです。

飲食 サービス業の人員不足問題は、大手飲食店でも大きな問題になっていますが、それは当店も同じです。コスト的にも、技術的にも簡単に人を増やしたりして解決するという訳にもいきません。

「奈良発の美味しい餃子」 どうしたらこれを実現できるのか。ただ、限られた経営の資源の中で何とか実現できないか……。

「自社挽きミンチ」がぐるぐる頭の中を回る日々がやってきました。

いい案が、出そうで出ない、そんなとき、私を励ますような素晴らしい野菜に出合いました。

問題は抱えたままですが、その野菜を見て思いを新たにしました。

まだまだ、始まったばかりで、諦めてはいけない。私はこの野菜との出会いからあることを考えていました。

 

(つづく)