まだまだある多くの「奈良発」

前回、「奈良発の餃子」というテーマで具材を探したところ、数々の逸品が見つかりました。

茄子なども特産であることを知りましたが、特に、餃子には「大和まな」が合うと確信しました。

濃緑食で食感は柔らかく、青臭さが無くて甘みに富んでいる。まさに具材にぴったりでした。そこで、さらにもう一品、アクセントとなる野菜を探したところ「結崎ネブカ」に出合いました。

結崎ネブカ

ネブカというは漢字で書くと「根深」となり、ネギの別の呼び方です。

栽培されているのはその名前の通り、奈良県川西町結崎で当店からは北東に位置する町で、車で15分ほどのご近所です。率直に、その「結崎ネブカ」を試食してみて美味しいと感じたのですが、由来を調べてみると結構、古くから栽培されているようです。

観世能の発祥地川西町結崎には、江戸時代にネギの産地としての記録があり、室町時代に翁の能面といっしょに天から降ってきたネギを植えたという伝説がある。柔らかくて甘みがあり煮炊きものに美味しいネギ(奈良県の「結崎ネブカ」ホームページより引用)。

天から降ってきたネギとはロマンがありますね。そして、これが餃子に「合う」のです。私は迷わず食材リストに加えました。

他の野菜、代表的なキャベツなどは、奈良だけでは安定的に供給できない事情もあり、各地から季節ごとに吟味したキャベツを取り寄せていますので、具の野菜に関しては、だいたい、イメージが固まってきました。

そして何度も戻ってくる問題

具材の野菜が決まれば次は当然「肉」にこわだわりたい。ここで私は、ずっと悩んできました。仕入れたミンチの問題点を整理すると、

1.赤身と脂身の比率にバラつきがある。
2.ミンチ肉に加工した時点で表面積が一気に増え、徐々に酸化が進んで旨みが損なわれる。

答えは簡単「自社でミンチを挽く」でした。しかし、大きなチェーン店ではないので、作業スペース、手間・人件費、作業実習、機械の操作・解体・洗浄・組み立てなど、いろんな障害がありました。

特に機械は何とかできても、それを操作するスタッフのオペレーションの問題がありました。しかし、何週間も考え、私は決断しました。

肉は自社挽き

もうこれしかない。大和野菜が見つかったいま、躊躇するのはもったいない。半ば強引に機械を導入しました。しかし、対策も考えました。

【問題】
餃子に当てられる労力と環境の制約(作業スペース、手間/人件費、作業実習/機械の操作・解体・洗浄・組み立て)がある。
その中で、作業スペースのバッティングを避け、新たな人件費の発生を抑え、ケガや作業ミスのリスクを未然に防ぐにはどうするか?

【わが社の対策】
店長である私の抱えている仕事のなかで、スタッフに任せられる仕入れや雑務をリスト化して役割分担しました。その分、手の空いた私がスタッフの出勤前にミンチ挽き作業を行い、品質の点検と機械のメンテを担当する。

「いつ休むの」とよく聞かれますが、とにかく、餃子の為ならいくらでも力が湧いてきます。餃子バカと言われても仕方ないですが、とにかく、スタッフと協力しつつ、さらに私自身の馬力も出して、問題をクリアしました。その結果……。

理想のミンチ肉の完成!

結果は劇的に変わりました。

1.赤身と脂身の理想の比率を実現できる。
2、自社挽きにより鮮度と旨みが飛躍的に向上。一日のうちで一番室温の低い時間帯なので鮮度的なプラス要因に。
3.ドリップが出ないので肉の旨味と食感を最大限に引き出せ、出来上がった餃子の質も向上し納得のできる味に仕上がる。

たしかに、大変な作業ではあります。しかし、ほうらいは「ちゃんぽんの餃子のうまい店」という看板を掲げています。
この看板に恥じない物を作りたいと思った結果です。

しかし、これで完成という訳ではありませんでした。一つ問題を解決すると新たな問題が出てきます。まるで人生のようで……(笑)。

続きます!

(大和野菜プロジェクト 01 02 03