留学生スタッフの思い出の「プレゼント」

コラム

こんにちは、料理長の竹若です。

当店でも過去から現在まで、多くのアルバイトスタッフの皆さんにお手伝い頂いていますが、とても印象に残っているスタッフがいました。

まずは、この画像をご覧ください。

 

実はこれ、手編みで作られた靴の中敷きです。これをくれたのは、当時の中国人留学生スタッフの宗君です。

彼は3年ほど前、20から23歳ぐらいの時に当店で働いてくれていました。

細身で華奢な印象でしたが、優しい感じでとても気の付くスタッフでした。

私は他のスタッフに比べ、特別扱いをしているつもりは無かったのですが、たぶん、あれこれと世話を焼いているうちに情が移ったのでしょう。

彼もそれを感じてくれていたのか、そのお礼として頂いたものです。

懐かしくなったので、色々パソコンを探していたところ、少々ぶれていますが彼の顔写真も出てきました。

優しそうな好青年です。

実は彼にはとても印象に残っているエピソードが有ります。彼がスタッフとして参加してくれた時期に、たまたま大量のアルバイトスタッフが応募してくれました。

通常は事情があって辞めてしまうこともあるので、少し多めにスタッフを採用したところ、その頃に限って、みんな頑張って辞めずに働いてくれました。

簡単に言うと、ちょっと人手が余ってしまったのです。

それを調整するのは私の役目ですし、寧ろ人手があるのはうれしい事だったのですが、宗君はその状況を見て私にこう言ってくれたのです。

「他のアルバイトスタッフの皆さんの仕事が減ると悪いので私のシフトを減らしていただいて構いません」

私はそれを聞いてびっくりしました。

彼は自分の仕事だけでなく、周囲のスタッフの事も考えてそう言ってくれたようでした。彼も決して経済的に恵まれていたわけではありませんので、純粋に気を配ってくれたのでしょう。こんなに職場の仲間の事を考えてくれるスタッフはなかなかいません。彼の人間性には深く感銘を受けました。

そして、彼が帰国する時に残していってくれたのが、最初に紹介した手編みの靴底です。なぜ「靴底」という疑問はありますが(笑)、とにかく彼の故郷ではこうして手編みで靴底を作るらしく、たぶん精一杯の感謝の気持ちを込めて贈ってくれたようです。とてもいい思い出の品になりました。

昨年の大掃除でしまっていたものが出てきたのですが、一緒にこんな思い出もよみがえってきたので紹介してみました。

今は国際政治的には色々難しい事も在りますが、一人ひとりのスタッフをその枠に当てはめて考えることはできないな、と思います。

「おもてなし」は日本の専売特許のように言われていますが、優しさや、思いやりという気持ちは、実は世界共通の感情なのかもしれませんね。

という訳で、柄にもなく少し感傷的になってしましたが、今日もほうらいは元気に営業中です!

とても寒い一日ですが、今日も温かいスタッフがホットな中華料理をご用意しています。ご来店お待ちしまっせ!