コックとしての持論
おいしいと思える料理は、技術もさることながらやはり素材の良し悪しが一番重要と考える。
鮮度の落ちた素材を、小手先のテクニックでカバーしたとしても所詮ごまかしただけで決して満足できるものにはならない。新鮮な食材を使い、満たされた環境で、洗練された技術で調理してこそ、胸を張って勧められる料理ができる。
使う食材や調理方法が同じでも、下ごしらえ、使う順序や火加減で全く別のものになる。調味料でまとめた料理はあとくちの余韻がなく、やがて飽きられる。
作りたい料理
濃い味付けや過度な香辛料で味をもってくるのは僕には合わない。
調味料はあくまでも脇役であり、各々の素材の持ち味をうまく引き出して、調和させる。
配達・席予約は受けない
茹で上げた麺の歯ごたえ、炒め物のシャキシャキ感、揚げ物のサクサク感。すべて重要な「味覚」の要素。最高の出来と自負する料理が、延びた麺、ベタッとなった揚げ物になってしまう。
出来立ての食感が失われた状態の料理で全てを評価でされるのは辛いものがあるので、配達はしない。
田舎の小さな店にわざわざ足を運んでくださるお客さん一人ひとりに、120%の力でもてなしたい想いが強い。
素材へのこだわり
<鮮度> まだ使えるとか消費期限云々とかじゃなく、素材本来の風味と歯ごたえがあるかどうか。
<添加物> 昔ながらの手法の良さでしか出せないものがある。便利なものに頼らず、自分の五感を駆使して進化していきたい。
スープを中心とした生活
閉店後翌日のスープを仕込み、一旦帰宅。夜中に店に戻り火加減調整とアク取り。朝までスープの見守りと仮眠を繰り返す。店休日は元日のみ。一杯入魂、そのこだわりに全てを賭ける。
そんなこだわりを胸に今日も笑顔で中華料理を作り続けています。
中華料理界の正統派異端児 竹若 賢一