こんにちは、料理長の竹若です。

いきなりですが、最近、麻婆丼は食べられましたか? 「いえ…」という声が聞こえる気がします。

そうですね。麻婆丼は少しマイナーですが、皆さんに食べて頂きたい麻婆丼ができました! それには5つの訳があります。

★1 プレミアムな豆板醤

普段はあまり同業者の方を紹介しないのですが、あの陳建一さんは別格と思っています。その人が「特別な食材」と呼ばれて珍重されているのが、この「ピーシェン豆板醤」です。それもそのはず、熟成期間が3年から5年と長く、丁寧に毎日人の手でかき混ぜて熟成されているので、旨味の深さが違います。この長い熟成期間を経たピーシェン豆板醤は、赤から褐色に変わり、旨味が倍増します。粘り気があるのも特徴で、まさにこの麻婆丼の核となる味です。ちなみに本場中国では「ピーシェン豆板醤かそうでないか」で区別されるほどの最高級品なのです。

★2 赤と黒の豆板醤

当店ではこのプレミアムな豆板醤に、さらにフレッシュな辛味を与える為に、四川豆板醤もブレンドしました。これはピーシェン豆板醤のまろやかさに、敢えて際立つ辛さを加え、辛さと旨味を両立させる為です。
そのため、麻婆特有の味や香りはそのままに旨さの深みが増した仕上がりになっています。ピーシェン豆板醤は通称「黒い豆板醤」と呼ばれるので、写真のように通常の赤い四川豆板醤と並ぶと見た目も違いがよく分かります。この使い分けを長年研究し、今回の麻婆丼を完成させました。

★3 こだわりの香りづけ

写真をご覧ください。

説明の通り、生姜とニンニクで、最初に香りづけをするのですが、これが重要なポイントです。写真は実際の調理例で、お店でお出しする麻婆丼でもこのように手で刻んで、丁寧に仕上げます。もちろん、フードプロセッサーやペーストを使えば簡単なのですが、ここは素材に比例して、調理方法にも妥協しませんでした。
ちなみに生姜とニンニクは1mmに刻みますが、これにも秘密があります。

★4 1mmの秘密

この製法のポイントはズバリ「香ばしさ」です。これは手で刻まないと実現できません。ペーストを使うとそもそも原料が違ったり、香りが格段に落ちます。フードプロセッサーを使えば、同じ1mm角にする事はできても、水分が発生してやはりペースト状になってしまうのです。手間はかかりますか、それだけに私としては譲れない製法でした。

★5 自家製粗挽きミンチ

最後の★は粗挽きミンチ。写真のように家庭用で使うものではなく、業務用の粗挽きチョッパーを使って、自家製ミンチを作っています。
これにも二つの訳があります。
1.肉の旨味を噛むごとにしっかり感じられ、
2.二つの豆板醤のソースの味や香りが濃いままにしっかりと残すため、です。

以上、少々力が入ってしまいましたが、現場での日々の積み重ねで作り上げた自信の一品です。

冒頭の質問に戻りますが「最近、麻婆丼は食べてない」という方は是非お試し下さい。きっとハマって頂けると思います。

では、今日も全力で営業中の「ほうらい」でお待ちしてます!