ご存じの通り、ほうらいでは9月1日より「黒豚和風ちゃんぽん」に一番だしを使用し
「一番だしちゃんぽん 奈良」
として、看板メニューをリニュアルしました。今回はその舞台裏を料理長(社長)が直接語ります。
× × ×
――ズバリ、なぜ、今回看板メニュの名前を変えようと思われたのですか?
実は、数年前から一番から三番だしの味の違いには気づいていました。ただ、味の均一化を図るためにこれらをミックスするのが、最良の答えだと信じていました。ところが数カ月前、たまたま二番だし・三番だしを先に使ってしまい、一番だしが残っている状況で、ちゃんぽんを作ったところ明らかに美味しいんです。
――味の均等化よりも?
そうなんです。均等な味のスープが全ての料理を美味しくする、と思い込んでいたのですが、それは本当に思い込みでした。詳しくは読んで頂きたいのですが(下の図)味の濃淡は「均一化」より「使い分ける」ことが正解だったのです。適材適所とでも言えるでしょうか。
――それで「和風黒豚ちゃんぽん」を「一番だしちゃんぽん」に変更された?
そうです。その変化は想像以上でした。ちゃんぽうはこうあるべき、と長年のコックの感が告げていたのです。もちろん、黒豚を除いたわけでもなく、価格も据え置きなんですが(笑)。
――では、具体的にどう変わったのかを教えてください。
一言で言えば「旨みの濃さ」が飛躍的にアップしました。例えるなら、どんな高級な調味料をいくつ使っても出せない素材本来の旨味が濃縮されています。試食した時にアドレナリンの出方が違うと思いました。
――アドレナリン(笑) 要は料理長自信が大興奮されたと?
そうなんです。理屈じゃない、この味のレベルはもう落とせないと思いました。
――それが「一番だしちゃんぽん 奈良」の由来なんですね。ちなみに奈良を追加されたのはどうしてですか?
コック歴も40年を超えましたが、ちゃんぽんは創業時からのメニューです。そして、ずっとこの場所で商いをさせて頂いています。ちょっと前までは「長崎ちゃんぽん」をイメージしたら全然別のものが出てきてがっかり……というお客様もいらっしゃいました。
そこで、今回はキチンと長崎ちゃんぽんをリスペクトした「奈良」特有のちゃんぽんであることを明記したかったんです。私の知る限り当店と全く同じスタイルの「ちゃんぽん」は奈良にありませんし、味付けの細かいところまで言及すれば、全国的にも珍しいと思います。
――それでちゃんぽんの新流派なんですね。
ちょっと、おこがましい気もしますが、長い間やってきたので、それぐらい言ってもいいかなと(笑)
――では、最後に実際にご来店されるお客様へのメッセージを。
「一番だしちゃんぽん」は、派手さ・一口目のインパクト・目を引くようなビジュアルはありません。
ただ、選び抜いた素材の味わい、スープ・麺・具のハーモニーは、食べ進めるうちに徐々にご納得いけると信じています。
様々な改良を加えてきたちゃんぽんですが、「黒豚和風ちゃんぽん」の時に感じた「もうこれ以上ない」を突破し、今は「もうこれ以上ない、奈良発の旨いちゃんぽん」を信じてご来店頂きたいです。胸を張っておススメできます。
――まさに料理長が吠える、ですね(笑)。もしかしたら「一番だしちゃんぽん 奈良 プレミアム」なんて出たりして。
それは分かりませんがないとは言い切れないですね(笑)。今も睡眠時間を削ってより美味しく出来ないかを考えてます。
(インタビュアー:山崎)