「純・黒豚餃子」 ~試食インタビュー2023再掲版

#旨いに全力

【こだわりぬいた素材】

ーー今回はとにかく「凄い」らしいですが、ポイントは?

ーー最初は遊び心でした。前から「これは美味しい」と思っていた鹿児島県産の黒豚のバラ肉ですが、これを少し既存の餃子に使ってみたんです。
 
そうしたら味が全然違う。素材の力で、旨味が底上げされているというか。餃子作りには長く携わってきましたが、今までにない手応えでした。
 
ーー今回は「純・黒豚餃子」とお聞きしましたが?
 
そうなんです。試作品は約20%ほど黒豚を使ったのですが、これが100%になったら、どんな味になるのかと……結果、えらいもんになりました。
 
ーーえらいもんですか?
 
ーー関西弁で「すごい」という感じでしょうか。今風に言えばプレミアム餃子ですね。具材もそれに合った最高のものにしたい、と日本全国からこれはと思う食材を集めました。
 
北から青森県産にんにく「福地ホワイト六片種」、時期に応じて仕入れ先を変える「最適な食感と糖度の白菜」、「淡路島産の玉ねぎ」、そして「鹿児島県産黒豚バラ肉」です。
 
ーー玉ねぎは餃子としては珍しい食材ですね。どんな餃子に仕上がったのでしょう?
 
それは実際の舌でお試し下さい。そろそろできました。いま、お出しします。    

【まさに王道。素材の底力と44年の技術の結晶】

ーー見た目は上品な餃子、特に大きかったり小さかったりはしないですね。焼き加減もこんがりとしてソフトなイメージです。
 
はい。しかし、コック歴44年の経験を生かし、皮の製造にもこだわり抜いてます。厳密な温度管理のもと、素材の味を引き出す絶妙な厚さと大きさに整えています。焼き方ももちろんシビアにタイミングを測ります。
 
ーーなるほど、横についてる薬味は何ですか?
 
これも素材の引き立て役として新開発しました「エスニック薬味」です。ニンニク、生姜、玉ねぎをみじん切りにして炒め、さらに豆板醤と数種の薬味を加え、水分が無くなるまで煮込みました。あとで餃子と一緒に食べてみて下さい。
 
ーーでは、冷めてもいけませんので、さっそく頂きます。
 
(何もつけず、一口)
ーーうん。直球です。真っ直ぐなストライクの王道の味。しかし、その底力を感じます。黒豚、玉ねぎ、ニンニクの存在感が別格ですね。まずは黒豚、純粋にコクと旨味が段違い。そして玉ねぎの甘みが、王道でありながら新鮮さを演出してますね。ニンニクは控えめながら、絶妙な風味があります。
 
ーーでは、せっかくですので、餃子のタレ、薬味ありのタレでも頂きます。

【薬味にもこだわり抜いたその理由】

ーーさっきは気がつきませんでしたが、皮のもっちり感がいいですね。タレにつけると、ご飯が欲しくなります。ただ、しっかり黒豚の旨味を感じます。このオリジナル薬味も試してみます……あ、意外に餃子の味を邪魔しないですね。元々持っている旨味にうまく生姜や豆板醤の旨味が乗ってくるというか。これはさりげないアクセントになってますね。
 
ーーそうなんです。この薬味も工夫しました。とにかく、この純・黒豚餃子は私のコック歴の中でも特別なメニューです。私の夢だった餃子と言っても過言ではありません。それだけに細部にまでこだわりました。
 
ーーそれは十分伝わってます。後味も、雑な油やニンニクの風味ではなく、上品な甘みが残ってます。こんな後味の餃子は食べたことがありません。

ただ、それだけに4個480円(税込528円)という価格設定になってしまいました。しかし、当店は餃子のバリエーションも豊富なので、ぜひ、いつもの餃子と食べ比べてもらいたいです。

※2021年の記事を再編集して掲載しています。